garop-rabit 臨床心理士の日誌

臨床心理士という仕事をしています。仕事のことやキャリアのことを中心に書きたいと思っています

臨床心理士の就活の話 (社会人になってから)

随分久しぶりの更新になってしまいました。

やっぱりものを書くことには結構なエネルギーを使うんだなという事を感じたり、なんだか少しのんびりしていたつもりが1か月以上も時間が経ってしまっていて、ぼんやりしすぎたなあ。と思います。

 

この週末に世間では公認心理師試験の合格発表が行われていましたね。

全体の合格率が80%近い試験だったので、やっぱり第一回を受けておくというのは大事だったと思いますが、机の上で知識を問うだけの試験ですので、今後この資格が広く一般から信頼されるようになるためにはホルダー各人の研鑽と社会への貢献をつみかさねるほかないのでしょう。なんともお騒がせな試験だったと思います。

 

さてさて、本日は社会人になってからの就活の話をつらつらと書いて行きたいと思います。

前回の記事では大学院生時代の就活をテーマにしましたが、公務員系や新卒を採用して育成していくマンパワーのある職場に運良く潜り込めた人以外の多くの若手心理士は非常勤や期限付きの採用としてキャリアを歩き出す人が多くいます。

1年目は臨床心理士試験の勉強をしながら日々の実践に取り組んで、試験が終わったら安心感を感じたり、より臨床にエネルギーを注いだり、自分の時間がようやくできるような感じがします。

ストレートで進んできてもこのタイミングで25歳や26歳、四捨五入をすると30歳近くになっています。ここから先、どのようなキャリアを歩みたいか、考えられるようになることがとても大切と思います。

結婚をするとか、家庭を持つとか、周囲に支えられながら生きて行くことを考えると、運やご縁など自分の意志の届かない側面もありますが、「こんなふうになりたい」という気持ちを持つことはとても大切だと思います。

 

私の個人的な見解ですが、臨床心理士としてある程度力が付いてくると、非常勤の方が稼げると思います。スクールカウンセラーの時給は5000円程度という自治体は多いですし、産業系や学生相談などもそれに近い水準の職場が多くあります。医療や福祉はその水準には及ばないですが、個人のクリニックなどでは時給+歩合給のようにある程度の収入を得られる仕組みのある職場もちらほらとあるようです。

ただ、それでも私は常勤職員として正規雇用で働いた方が良いだろうと思っています。

それは、日々の臨床を支えるものはお金だけでは無くて、家族や周囲の友人や同僚など環境の要因が随分大きいし、安定して一つの場所に留まる事は、私たちが出会う援助を必要とする人々にとっても安定をもたらすと思うからです。

誰かの心に安らぎや癒しをもたらすためには、まず自分がある程度腰を据えてその場所にいられる事が必要です。そのために、常勤や正規雇用というこちらの環境を整える事は必要ですし、30代に差し掛かるタイミングが一つのポイントでもあるだろうと思います。

 

私の場合もキャリアの最初の3年間は週に5日勤務しているけれど、契約職員や期限付きの常勤職員という立場でした。そのため、28歳くらいの時に常勤の職場を求めて2回目の就活を行いました。

大学院生の頃に苦労をしていたので、履歴書や職務経歴書の書き方は心得ています。

大学院生の頃は職務経歴を幾ら良く見せようとしても所詮学生なので内容がスカスカでしたが、社会人になってからは何となく書ける事も増えてくるので、履歴書の空白は自然と埋まるようになってきました。

すると、あれだけ学生の頃には通過できなかった書類選考が結構通るのです。

私の場合は地域を絞らずに、職務内容と常勤という事を優先してエントリーしていたのですが、募集元の機関も常勤を募集するのですから(一人の臨床心理士を定年まで雇うと、、、、30歳・年収400万・65歳定年と考えても400×35+退職金+福利厚生諸々で1億5千万円くらいのお買い物を事業所はするわけですので)長く勤務してくれそうで、フレッシュな人材を求めている所が多かったということなのかな?と思っていますが、幾つかの職場が手を差し伸べて下さいました。私はその中でご縁のあった職場で今もお世話になっています。

 

30歳前後は、家庭を持ったり、子育てをしたり、仕事の事ばかりを考えることが難しい時期に差し掛かりますが、それでも1度きりのキャリアです。大切に出来ると良いなと思いました。この仕事をしていると一人職場も多かったりするので、そういったキャリアの相談をする相手もあんまり多くはありません。

そんな相談を出来る場所があったりすると良いのかもしれないなと思います。