garop-rabit 臨床心理士の日誌

臨床心理士という仕事をしています。仕事のことやキャリアのことを中心に書きたいと思っています

医療機関に勤務する臨床心理士の収入について

こんばんは。今夜は中秋の名月で夜空を見ている人も多いでしょうか。

折角だから全国的に晴れてくれると良かったのになと思いながらパソコンを開いています。

 

タイトル通り、臨床心理士の収入について!いきなり生々しいテーマを取り上げてしまって、日誌を書いている人は生臭いやつだなぁと思う方も居られるかもしれません。

否定できないので仕方ありませんが・・・

 

このテーマについても、突然湧き上がったのではなく以前から考えていた事でもありますし、同年代の同業の方と話していてもよくよくお金の話になります(笑)

本当なら20代とか、大学院を出る頃に考えておけば良かったなとつくづく思います。

これは、臨床心理士の仕事に限った事では無いと思いますが、特定の専門性を持った人と言うのは、それを活かして人生のある程度の期間、その仕事に従事する事を想定されているのだと思いますが、そのお仕事を続けながらどんな生活を送る事が出来るのか、見通しが持てると良いのになと思ったりします。

 

 

私見ですが、仕事の領域や、その人の志向によって随分収入には違いがあるんじゃないかなと思います。これは、この仕事の取り組み方として、様々なライフプランが描けることの表れでもあると思います。

 

幾つかの領域について書いてみよう!・・・・・・・と思って一旦書いてみたのですが、自分の知らない事や、なんとなくの感覚で書いた記事はぺらっぺらで書いていても読んでみても面白みに欠けます。

なので、自分が経験した事を中心に改めて書いてみたいと思います。

タイトルも少し変えちゃいました(笑)

医療機関に勤務する臨床心理士の収入について

臨床心理士の40%弱が主たる職場としているのがこの領域です。病院や診療所、精神保健福祉センター老人保健施設などが当てはまります。

心理アセスメントや心理療法集団療法など、働いている姿がイメージしやすいかと思います。

 

【非常勤の場合】

一般的に収入はそこまで良いとは言えません。indeedなどで求人の情報を見ても非常勤だと時給900円~1500円くらいが多いような印象です。

でも、お金払いの良いクリニックになると時給3000円~4000円程度のところもあるようです。

この違いは給料のシステムや、心理検査やカウンセリングのシステムによるところが大きいと思います。

臨床心理士医療機関で収入に結び付く仕事として何が出来るかと言うと心理検査と、デイケア・集団精神療法などの集団プログラムが挙げられます。

心理検査は2時間程度の検査時間を要する検査でも保険点数として医療機関が得られる収入は4500円、1時間当たり2250円です。そこには人件費や消耗品などが掛かってくると考えると、医療機関の手元に残るお金は微々たるものです。こんなふうに考えると、医療機関の心理士の時給が低い水準にあることもなんとなく納得せざるを得ないのかもしれません。

一方で、高い時給を設定できるのは、保険を使用しない自費のカウンセリングなどを行っている機関を併設している医療機関に勤務している場合が挙げられます。

この場合は、医療機関の時給+歩合制でカウンセリング料の何割かが加算されるケースです。場所の確保や、クライエントの紹介など医療機関の経営者から信頼や期待を掛けてもらえないと中々このような構造を維持する事も難しいかと思いますが、現に国内には多くの期間が存在していると思われます。

 

【常勤職員の場合】

常勤職を得てもやはり収入はそこまで恵まれているとは言えません。年収300万円~400万円くらいが最頻値であるようです。ただ、非常勤に比べると福利厚生や昇給などは他の職種と同様に得られるため、ある程度安定して生活をすることが出来るかと思います。

仕事の内容としては、非常勤の場合は心理検査心理療法が仕事の中心ですが、常勤職の場合にはそれ以外にも院内の委員会や、多職種で行うプログラムや、院内行事など、必ずしも臨床の事だけではなく様々な業務が舞い込んで来ます。

精神分析や分析心理学などに興味を持っていて、「面接だけやりたい!」という方はあまり興味が出てこないかもしれませんが、周囲の医療者と接点が増えることは案外面白かったり、仕事以外の部分で充実度が高まる側面もあるかと思われます。 

 

福祉領域

障害者福祉施設や女性福祉施設児童福祉施設などがこの領域に当てはまります。

心理療法的な関わりだけでなく、時には具体的な相談や生活場面にも踏み込んでいく、フットワークや主体性、専門性が求められる非常に難しい領域だと思います。

でも、何故か年収は200万円~300万円の間が最も多く、それ以上の年収を得ている人も多くいるようですが・・・高い専門性を求められる割に他の領域に比べると中々シビアな印象です。若い人が多いことや、その仕事を長く続ける人もいれば、キャリアアップのために別の領域に転じて行く人もいるということなのかもしれません。

少し例外なのは地方公務員として児童相談所や障害者福祉施設に勤務をしている臨床心理士の場合には収入は随分安定しているかと思います。激務であろうことは間違いないですが、生活は安定します。

 

教育領域

スクールカウンセラーや教育相談センターで心理療法やアセスメントのお仕事に従事されている人が多いかと思います。大学や専門学校の学生相談室などに勤務をされている人もいます。

スクールカウンセラーの時給は3000円とか5000円とか、わりと収入が良さそうに見えるので、それを知っている他の職種の人からは「臨床心理士って結構お金が儲かるんでしょ??」とか言われますが、それでも非常勤のお仕事なので中々厳しいところがあります。

常勤の職員として教育相談センターに勤務されている方もいるようですが、多くは非常勤で年収300万円~400万円程度の方が多いのではなかろうかと思います。

 

産業領域

企業の健康管理センターや、EAP機関など、働く人の心の支援を行っています。対面で行うカウンセリングだけではなく、電話相談やメールでの相談、企業の人事担当や産業保健スタッフとのコンサルテーションやコラボレーションなど、様々なスキルが要求されます。

年収は400万~500万の水準の方が多く、医療・保健・福祉よりも収入は安定しているイメージです。

 

警察・司法機関・自衛官

都道府県警察の職員、法務省や防衛相の職員として採用され、それぞれの省庁の定める仕事に従事します。これらの領域を一括りにしてしまうと多方面からお叱りを受けることと思われますが、私自身あまり詳しくないのでご容赦ください。

ただ、収入は安定している印象ですし、研修なども充実していて専門性を磨くことも出来ます。

 

開業領域

ある程度経験を積んでから、自分のスキルで生計を立てて行こう!と決意出来る人が踏み込んでいく領域と思います。

誰かに雇われるのではなく、自分で仕事を見つけて、自分で仕事の枠組みを作って、それを続けて行く。中々ハードな仕事と思うのですが、開業されている先生はみんなどこか自由で、個性が際立っている先生が多いように思われます。

収入も1時間7000円とか、10000円以上とか、講演やワークショップなどで収入を得るとか、様々です。

 

思いつくままに書いてきたのですが、綺麗にまとめて表現をすることがとても難しく感じています。幸い、読者の方もまだ少ないので編集を続けながら読みやすい記事にしていきたいと思います。

これからも時々手入れをしていきますので乱文乱筆をどうかご容赦ください。