garop-rabit 臨床心理士の日誌

臨床心理士という仕事をしています。仕事のことやキャリアのことを中心に書きたいと思っています

臨床心理士としてのキャリアの重ね方について(2、社会人1,2年目頃にすればよかったと思うこと)

こんばんは。3連休も終わろうとしています。

先週は日々の仕事に取り組みながら、夜になったらブログを書き進めたいなと思っていたのですが、秋の夜長にのんびりと過ごしていると気が付いたら就寝しなければいけない時間で、まったく書き進める事が出来ませんでした。

 

私は土曜日にも仕事があるので正確には3連休では無いのですが、連休にちょっとは書けたら良いなと思っていたらもうこんな時間です。

ブログを書き続けることってのは案外モチベーションが必要なんだなと感じ入る次第です。

 

前回に引き続き、「キャリアの重ね方」というとなんとも仰々しいですが、自分の経験を振り返って、あーしておけば良かった。こーしておけば良かった。と思う事について書き連ねて行きたいと思います。

社会人1,2年目というのは臨床心理士を目指す人にとっては、中々生き難い時期だったりします。

なぜなら、大学院の修士課程を出てから最初は資格を持っていない状態で世の中に出なければなりませんし、公務員など安定した収入が得られる職に就けば心配はありませんが、多くの人は非常勤の掛け持ちや、常勤だとしても決して良い待遇では無い事が殆どです。(私も最初の年の年末調整の書類などを見た時には愕然としました。)

それに加えて、臨床心理士の資格試験のための勉強も行わなければいけないので、正直1年目の4月から11月くらいまではあんまり余裕が無かったように思われます。

 

でもでも、本当はこんなことをやっておけば良かった。こんなことが出来ると良かった。ということは幾つか有りますので書かせて頂きます。

1,SVやGSVなど良い指導者を見つけられると良かった

最初の1年目は本当に、右も左も解らない。うかうかすると、右と左が解らないみたいな感覚で臨床を始める事になります。

先輩や上司が居る職場であれば相談をしながら仕事に取り組めるけれど、患者さんやクライアントを目の前にしている時は自分が何とかしなければなりません。

日々のケースを一つ一つ上司や先輩に相談するのも現実的には難しいです。

なので、経済的には苦しいところはありますが、臨床の指導を受けられる環境を作っておくことが必要です。誰に指導を受けたら良いだろう?良い先生に巡り合えたら良いのだけど、自分と相性は会うだろうか??

などなど、不安や心配は尽きないことと思いますが、ある意味これは良い指導者や良い臨床家になるための出会いのチャンスでもあったりします。

身近な所で大学院時代にお世話になった先生にSVをお願いするという人が多いかと思いますが、現場に出てから必要になる知識や、専門領域によっては他の先生にお願いした方が良い場合もあります。

自分の中の課題や、臨床での困り感などを振り返りながら、良い指導者と出会う事がキャリアの積み重ねを行う上でも大切なように思います。

 

私の場合は、最初の1年目は個人SVは受けておらずにGSVを2つくらいのグループで受けていました。職場で紹介してもらったGrと、学生時代から出席していたGrでした。

ただ、自分のケースを見てもらう機会が少なかったのと、もう少しアセスメントや心理療法に特化したSVを受けたいと考えて、2年目の終わりに別の先生に個人SVをお願いしました。当時は経済的な事情や、全く面識の無いその先生にSVをお願いをすることに躊躇を感じていたのですが、勇気を振り絞ってお願いをしたところ快く応じて下さり、現在も指導を受けています。

そのままGSVに出席していたり、別の出会いがあったかもしれませんが、私自身は少し遅まきながらも良い指導者に出会えたように感じています。

 

2,一緒に学ぶ仲間が居ること・仲間を作ること

上に書いたGSVもそうですが、一緒に学ぶことが出来る仲間が居ることは本当に支えになります。

臨床心理士試験の勉強を進めている時でも、同期と仕事や勉強の愚痴を言いながら取り組めたことは支えになっていたように感じます。GSVでも同年代や先輩のコメントを聞きながらケースの事を考えることは非常に参考になったように思います。

 

大学院の同期や研究室などの関係で仲間を作る事も大切ですが、自分の所属する臨床現場や、興味・関心のある領域の仲間が居ることは、面白い研修会の情報を教えてもらえたり、クローズドの研究会やGSVに誘ってもらえたり、信頼関係が築ければ求人の情報なども教えて貰えることもあり、その後のキャリアにも非常に強く影響します。

 

臨床心理士という仕事を目指す人は不思議なもので、心の専門家ではあるのだけど、対人関係が得意という人よりも、あんまり得意でない人の方が多かったりします。

そのような人にとっては、知らない人と出会う事や、知らない人ばかりの集団に入る事にはとても緊張や不安を感じることと思いますが、少し頑張ってみると、結構良いことが起こったりします。

 

私の場合もご多分に漏れず、慣れない集団が苦手だったために、本当に学びたいこともあったし、仲間も欲しかったのですが、中々そういう場所に出ていく事が怖かったし、そのために機会を逃していた部分もあるように思います。

 

関東や関西の首都圏であれば、少しゆるっとしたGSVや少人数の研修会も多いようですので、そういう場所に出てみる事も仲間を作る事に結び付くかもしれません。

 

ビギナーの時期は、何かと苦しいですが、3年目を越える頃には少しずつ安定してきて、何とかやってけるかなという感覚も身について行く事と思います。

まずは、そのような感覚が出てくるまで、コツコツとやっていきましょう。